なぜか紐育



The Curious Incident of the Dog in the Night-time

f0078586_14483119.jpg学校が始まる前に読みたい本がいっぱいあって、一冊ずつ制覇していったんですが、そのなかでもこの本はライフログ入りでした。

心理学のクラスでも教科書と並んでよく取り上げられるこの小説は、マーク・ハッドンというイギリスの絵本作家の処女作です。15歳の自閉症の少年が主人公で、この少年の日記のような形で物語が進みます。
向かいの家の飼い犬が、そこの庭である日園芸用熊手(フォーク)で突き刺され死んでいるのを発見した少年は、その犯人を探す「探偵」になり、その過程で意外な事実が発覚し、そこから少年の「冒険」も始まるというちょっと変わったプロットです。

自閉症が巷でよく知られているにもかかわらず、どういうものかあんまりよく知らなかったんですが、まず周りにこんなひとがいるとかなり大変なのはわかりました‥。

この少年は、そんな問題がありながら、実は数学の天才で、少年の語り口が全て理詰めでそこがまたおかしかったりして(ユーモアという意味で)、厄介と思われている行動パターンも、この少年の論理からいくと実はとてもシンプルなのがわかります。問題なのは彼が作り上げたルールが世間の論理とそぐわないことと、そのルールが「絶対」で、臨機応変がないことです。
これは自閉症の少年についての小説ですが、考えさせられたのは、世の中いろんなひとがいて、そこでじゃあ一体誰が「普通のひと」なんだろうか、ということです。そんなことを考えるとこれはとても人間愛に満ちたメッセージが込められた小説です。
ひとは誰もいろんな問題や弱点があって、好き嫌いもあるし、だからひとと衝突もするし、自分でルールだって作るし、それに沿わないことがあると気分も悪くなるし、この少年との違いと言えばその「程度」の問題です。
街角で、あるいは身近に「変なひと」がいると思ったら、そのひとなりの思考回路があるんだと納得できるだけの思考回路があれば、世の中もっと穏やかになるような気がします。その自分と違う思考回路を理解しようとすればもっと自分も穏やかになるような気がします。悪意がないとわかれば、ですけど。

物語とまったく関係ないような数学の知識や、少年の寄り道ばかりの語り口がありながら、最初から最後まで飽きずに読めるのは、彼の周りのひとたちのドラマがあり、ちょっと非現実的な小説でありながら、リアリティのあるドキュメンタリーのような印象があるからかもしれません。少年の父親の辛苦に涙したり、また至る所で笑いの要素が詰まっていて、電車の中で何度も吹き出してしまいました。

日本語でも「夜中に犬に起こった奇妙な事件」というタイトルで出ているみたいです。
オススメです。
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# by nyk1404 | 2008-01-31 15:51

下を見るんじゃない。

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ということで、年が明けてまずしたことは、エンパイアステートビルに上ったことだったんですが、前日、つまり2日に、そのチケットを買いに行ったんです。なんせ、Aクラス観光スポットのエンパイアですから、チケットを買うのも一苦労。エンパイアステートビルの外まで続く長い列に並んで、1時間くらいかけてやっとチケットを買う感じです。エクスプレスパスを買うと、列を飛ばすことができるんですが、パスは$43!なんかちょっと馬鹿馬鹿しい。普通のチケットも$20するんですけど。
年が明けてずっと晴天続きだったので、長蛇の列を見越してまずチケットを買って、日を改めて上ろうということにしました。(結局、上るのもチケットのラインに並ばなくちゃいけなかったので大差なかったんですが‥。)

そこで、年明け早々かなり嫌な思いをしました。

エンパイアステートビルの半ブロックくらい外の列に並んだとき、私の後ろには5人くらいの観光客の家族連れが並んだんですが、そのときからなんか嫌な予感。お父さんと思われるおじさんや、ティーンの年頃の娘なんかが気づいてか気づかずか私のうしろにぶつかったりして、まったく、はしゃぎたい気持ちはわかるけど、マナーなってないなあと思ってたんです。
そして、中に入ったとき、エスカレーターの前で列が切られてしばらく待たされて、「はい、行っていいよ」と通されたとき、お父さんがすかさず私の前を突っ切って、私の前に並びました。
013.gifなんだこいつ。ムカつく。超ムカつく。
うしろの家族は私の後ろに残され、私はお父さんと他の家族に挟まれる形に。
次のセクションではロープがくねくねと張られていて、そのロープの通りに列が進むことになってたんですが、列が大幅に進んだところで、今度は残りの家族がロープをまたいで私を飛び越してお父さんの後ろに並んだんです。
え‥。
しかも娘や息子たちは「えっへへ〜011.gif」みたいな顔して私の前を横切る。
私はひとりだったんで、ちょっと泣きそうでした。くやしくて。
こんなとき、大声出してスタッフを呼んだり、「ちょっとアンタ!」と諭すのも、長〜い列の中でまた面倒だし、とにかく黙って見過ごすしかなかったのです。
ひょこひょこついてきた父親や子供たちが何をしたか知らなそうなお母さんが家族の一番後ろについたので、なにげに「どちらからですか」と聞いたら、「スウェーデンからです」とにこやかに答えました。一気にスウェーデン人嫌いになりました。
お父さんの顔、最初見たときから気に入らなかったんですが、なんていうか、がっしりしてて、けっこう混んでる電車で2つ目の駅で降りるのに必死に席探すひとみたいな顔ですね。

何が悔しかったって、まず私という人間を、ゴミと扱ったことですね。
私はひとりだったし、背も低いし、待っている間ずっと本を読んでいて、「こんな奴ひとりくらい」と思われたのがひしひしと感じられて、ひとり対大勢で有無を言わせぬみたいな態度で、ブッシュ政権でした。

NYにいると、こういうことはけっこうあるんですが、いわゆるニューヨーカーはこういうことしません。日本では決して起こらないようなこんなことで、嫌な思いをすることはけっこうありますが、大概は「NYなんてどうでもいい」という移民や観光客、あるいはうちの近所のゲトー住民などと接するとこういうことがあります。

スウェーデン人がみんなこんな感じってわけではないですが、旅行に行った先でこういうことをすると、国のイメージ下がっちゃいますよね。マナーは言うまでもなくどこでも大事です。
しかしムカつく。

そして、次の日、今度はチケット売り場を過ぎたセクションでまた長い列に並んでいました。これは本当に長い列なんです‥。下から上まで。
そこはロープが張られた横に、スタッフが通る細い通路があって、あるとき後ろからアメリカ人の家族がそこを通って列を通り越して次のセクションに入りました。いかにも中西部から来ましたみたいなトレーナーにトレパン姿の母親が、子供たちに「ほら、こっちおいで」と。それをみんな横目で見て、私の前に並んでいた中国人の家族連れは、それまでわくわくにこにこ調だったのがそれを見て急に困惑顔になり、私はそれを見て胸が痛くなりました。前日の件があったので、「またかい‥」と私はあきらめモードだったんですが、その中国人ファミリーの困り顔がとっても悲しくて、またむらむらと怒りが。
みんなそれぞれ$20ものお金を払って、なかにはもう2度と見に来れないかもしれない最高の眺めを楽しみに長い長い列に並んで、わくわくしながら待っているのに、それを一気にぶちこわすような行為をする傍若無人さは、犯罪です。

私はちょうどそのとき、坂口安吾の「白痴」を読んでたんですが、戦時中の話で人間の「質」がどうだとか、、、トリップしちゃいました。「純潔に対する貞節」、守らないといけません。下を見てたんじゃだめなんですよ‥。

そして、ようやく83階に上り、ようやく下を見ることができました。
風もびゅーびゅー吹いて寒かったです。でもそれまでの疲れも$20も吹き飛ぶような景色に、気分も爽快。

(続きを見る)
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# by nyk1404 | 2008-01-22 02:22

夜明け前

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年もすっかり明けてしまいましたね。写真は、エンパイアステートビルからの眺め、ハトさんたちが寒いのに、しかも83階という高さまで遊びに来ていました。2008年も明けたので、初日の出を見るべく、エンパイアステートビルに上りました。といっても3日の正午ぐらいだったんですが。初日の出じゃないですね‥ぜんぜん。

2008年の幕開けは、いい意味でも悪い意味でも、混乱に満ちた状況です。2007年の年末から世の中では騒々しい事件などが多発してますが、今年はどんな年になるんでしょうか。アメリカ経済は悪化しまくっていて、日本から送金してもらう側としてはありがたかったりするんですけど、個人的には、世界状況も含めて大方いい状況になっていくと思います。
と、勝手に言ってますけどね、アメリカでは今大統領選挙で盛り上がってます。ま、この件についてはまた別の機会に、ということで、私の2007年を振り返ってみます。

まず、学校卒業しました。071.gif071.gif071.gif
2年半かかっちゃいました。しかしまずは第一関門突破です。次の学校を卒業したら晴れて‥。
とにもかくにも母や他いろんなひとの応援と支えあってのことです。ありがとう。
「この歳にもなって」と落ち込むこともしょっちゅうですが、考えてもしょうがないので今できることをこなしていくのみです。「次がある」という緊張感もなかなかありがたいもので、「充実」ってのはこういうものなのかもと思ったりする今日この頃です。

2007年、新しいこともいくつか始めました。
まずEtsyを始めたのはまたひとつ世界が広がった感じで、7月に始めて半年で約50アイテム売れました。忙しすぎない調子で、あんまりお金にはならないんですが、それでも売り上げ金で新しい素材を買ったり、ちょっと欲しいものを買うくらいにはなるので、いい感じです。フィードバックも励みになるものばかりで、リピートするカスタマーもできました。
先日、Etsyのカスタマーから、「2月にカリフォルニアにセレクトショップを出すんですが、pear22のアイテムを置かせてくれませんか」みたいなメールをもらって、ついにリアルショップデビュー?となったんですが、条件が「月10アイテム以上で、そのぶんはネットで売らない」などちょっと条件が多かったので、辞退しました。他にすることいっぱいあってなんか忙しくなりそうだったし、ほんとに小売りで出すならもうちょっとマテリアル研究とかマーケティングとかしたかったので。でもうれしかったです。

2007年、もうひとつ特記すべきは、やりたいことが見つかったこと、ですかね‥。
去年の今頃は考えてなかったことが、今年形になります。次の学校での専攻は、言ってみれば将来の仕事を決めることにもなるんですが、これもEtsyを始めたことにもつながるかもしれません。
グラフィックデザインなんて、いままでまさに「想定の範囲外」だったんですけどね。
でも長い目でみて、やっぱりやりたいこと、面白いことをするのが自分だけじゃなくてみんなのためになると思ったので、これから好きなことをすることにします。なので2008年、とても楽しみです‥。自分にはやっぱりものをつくることが向いてるような気がします。まずは2次元の世界から(笑)。
面白いことに、「これがしたい」と決めると、自然と「それ関係」のひとに会えるもので、思ってもないところからありがたい出会いがあったりと、環境も変わるのはマーフィーの法則ですか。なにをするにも、「ひと」は大事ですからね。

ということで、2008年は、「夜明け前」の年になりそうです。
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# by nyk1404 | 2008-01-21 14:25

まりあん。

f0078586_1318591.jpg急に「あれが食べたい」という感覚と同じく映画が観たくなって、夜中に近所のレンタルDVD屋に行って、カード作るのが面倒だったので中古のDVD3本買ってきました。そのなかのひとつがマリーアントワネットでした。ソフィアコッポラのあれです。去年見逃したので、とりあえずこれでも、って感じだったんですけど。
いやあ、つまんなかった。最後あたりまで。音楽とか華麗な衣装とかもまあ期待はしていたけど、途中からなんだかどうでもよくなって、とにかくキルスティンダンスト(マリー役)のアメリカ英語が周りのイギリス英語のなかで浮きまくりで(もともとこのひとの喋り方はどの映画でも個人的に好きじゃない。)、どんな感じでギロチンにかけられるんだろうかなんてどうでもいいことを考えながら観てました。
マリーアントワネットの生涯を描くなら、もっといいプロットがあったろうに、とソフィアコッポラに期待したことを半分後悔しながらとりあえず最後まで観たんですが‥。
観終わってから、何が言いたかったんだろうと考えているうちに、これが何かに対する警告みたいに思えてきて、もしかしたらソフィアコッポラ自身に対する警告なのかもしれないという気がしてきました。今の文化そのものに対する警告かもしれないし、「誰か」に対するものかもしれないし。要は、「つまんない」と思えた映画の大部分が、始まりと最後のひとことで意味が通るような気がしました。音楽も、相変わらずソフィアらしいけど、ニューオーダーとか80年代ものを使ってるあたりとか、文化的にかぶってる感じもするし。浮きまくり米語アントワネットもそれだけ意味があるわけです。

マリーがオーストリアからフランスにやってきて王妃になった当初に、儀式に始まり儀式に終わるみたいな王宮生活を"This is ridiculous!"(こんなの馬鹿げてる)と言うと、マリーの教育係みたいなひとが"This is Versailles."(ここはヴェルサイユですから)と諭す場面。どうでもいいことが誰かが決めたルールだけのために動いていく状況。「つまんない」っていうことが言いたかったんじゃないかと。ほんとにこれでいいのか?みたいな。
マリーアントワネットの寂しさとか、そういう要素も多分にあったのかもしれないけど、私はあんまりそこらへんは感じなかったなあ。キルスティンダンストのせいかも。

最後の台詞と終わり方はいいですね。ヴァージンスーサイズ、ロストイントランスレーション、そしてこれがソフィアコッポラの三作目になるわけですけど、余韻を残す終わり方、「終わって始まる何かが」みたいな彼女のセンスは好きです。
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# by nyk1404 | 2007-11-20 13:41

Neti Pot

f0078586_13283073.jpg最近、巷で密かに人気のNeti Potを買いました。ネティポットとは、鼻洗浄する壷で、いわゆる鼻うがいというやつです。ヨガの一部としても使われているらしいんですが。さすがインドです。鼻うがいなんて。なんでも、インド人は歯磨きついでにやっているひともいるとかで。
私はもともと鼻が弱いというか、アレルギーっぽくて、季節の変わり目や乾燥する季節など、鼻がむずむずして多分ひとよりくしゃみの回数が多いんじゃないかと思います。花粉症ではないのでそれだけが唯一の救い‥。

使い方は専用のセットも売られていますが、基本的には生理食塩水(血液と同じ濃度の食塩水)を作って、このポットで鼻の一方から食塩水を流し入れ、もう一方の鼻から出すというものです。
このポット($20くらい)を買ったはいいものの、どうやって生理食塩水を作るのか分からなかったので、いろいろ調べた結果、250ccのぬるま湯に計量スプーンの一番小さいの(1/4 tea spoon)で塩を入れて作ることにしました。
実は私泳げないので、密かに水恐怖症(あの水が鼻に入ってくる感覚がダメです)なんですが、「生理食塩水だと痛くない」というのを信じて、おそるおそるポットを鼻にあてて‥。
すると片方の鼻から水が出てきました!当たり前だけどちょっと感動です。最初の2、3回は、頭の傾げ具合とかの調整が難しくて、水がそのまま口に出てきたり洗面台がびしょぬれになったりしたんですが、慣れると簡単。
このネティポットはセラミック製で、見た目なかなかファンシーなんですが、実際に事を行う姿はぜんぜんファンシーじゃないです。ていうか、あんまりひとに見せられるもんじゃないです。こんな感じ
これ、でも気持ちいい。最初はどんな汚れが鼻から出てくるんだろうとちょっと不安半分期待半分だったんですが、そんなにドロドロ〜みたいなことにはなってなかったのでよかったです。やった後は鼻が通ってすっきり。次の日は心なしかくしゃみもあんまり出ない感じもするし、温かいぬるま湯でやるのがクセになる感じです。

YouTubeで、やっぱりあった邪道編。バカすぎてウケます。↓(注)汚いです。
http://www.youtube.com/watch?v=aQm7YpxgOnA
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# by nyk1404 | 2007-11-13 14:52


ついにNY6年目・・。
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